
2025.12.21その他 パーソナルカラー診断PLUS 骨格診断PLUS
明日のランチ、何を着ていこうか迷って、ふとAIに聞いてみたことはありませんか。
「明日、ママ友とランチです。きれいめに見えて、浮かない服を教えてください。」
あるいは、
「明日の会議、きちんと見えて、堅すぎないスーツの組み合わせは?」
ここまでは、とても自然な使い方です。
しかし、この聞き方で最適解が出ることは、ほぼありません。
まず前提として、AIはあまたある選択肢の中から、平均的で無難、そして模範的な答えを出します。それは「あなたという個人」に対する答えではなく、多くの人に当てはまりそうな最大公約数です。
さらに、AIは基本的に、こちらの意図を肯定的に受け取る設計になっています。体感としては「忖度している」と感じる方も多いでしょう。
たとえば、こんな聞き方をしたとします。
「明日はこのグレーのトップスに、ベージュのプリーツスカートを合わせようと思うのですが、どう思いますか?」
するとAIは、
「とても素敵な組み合わせです。上品で、あなたの魅力を引き立てます。」
――ほぼ確実に、そう答えます。
ここが落とし穴です。
AIは、その組み合わせが本当にベストなのか、あなたにとって無理がないか、ほかにもっと良い選択肢がないかを、ほとんど検証しません。すでにあなたの案を「正解の前提」として受け取っているからです。
「どう思う?」
「合ってますか?」
こうした聞き方は、AIをイエスマンにします。AIを使うとき、最初に避けるべきなのはこの点です。
やるべきなのは、選択肢を並べることです。
たとえば、
「明日のランチ用に、グレーのニットトップスに合わせるボトムスで迷っています。以下が手持ちの候補です。
① ベージュのタイトスカート
② グレーのフレアスカート
③ 茶のワイドパンツ
④ 黒のストレートパンツ
この中で、一番無理が出にくいのはどれですか?」
こう聞くことで、AIは初めて「比較」を始めます。
ここで終わると、答えはまだ平均解止まりです。
本当に差が出るのは、この先です。
たとえば、
・強い色を入れすぎると、きつく見える
・黒は分量を間違えると、重くなる
・顔立ちは比較的はっきりしている
・今日は親しみやすさを優先したい
こうした「理由」を、どれだけAIと共有できるか。ここがなければ、AIは最後まで「それっぽい正解」しか出しません。
大事なのは、どう聞くかではなく、自分をどれだけ理解しているかです。
自分の特性や傾向を言葉にできている人にとって、AIはとても優秀な壁打ち相手になります。
一方で、自分のことをまだ説明できない場合、AIはただの「感じのいい肯定マシーン」になります。
AIは、あなたの代わりに決めてくれる存在ではありません。
何が得意で、何をすると崩れやすく、今日はどこに着地したいのか。
それを自分で把握していれば、AIはきちんと使えます。
知らなければ、どれだけ賢くても、答えは無難なところで終わります。