
2025.12.26パーソナルカラー診断PLUS 骨格診断PLUS
54歳の私が持っていたのは、
大きなリボンのついたバッグでした。
それを見て、周囲からこう言われました。
「まぁ、可愛い!」
「それ、どこで買ったの?」
思わず嬉しくなりますよね。
「やっぱり可愛いわよね」と、少し誇らしい気持ちにもなる。
でも実は、
人に褒められている瞬間が、必ずしも“称賛”とは限らない
ということがあります。
場の空気が、
ほんの少しざわついたとき。
誰かが「悪目立ち」したとき。
その違和感を、
無意識のうちに処理しようとする力が働くことがあります。
・何か言わなければいけない
・沈黙が気まずい
・空気を整えたい
その結果として発せられるのが、
「まぁ、可愛い!」という言葉である場合もあるのです。
その場にいる全員が、
はっきりとは言語化できないけれど、
うっすらと感じている小さなストレス。
それを和らげるための、
一種の“空気調整”としての賞賛。
逆に、
本当に「素敵だ」「おしゃれだ」と感じたとき。
人は案外、
言葉を失います。
圧倒されて、
ただ見てしまう。
後から思い返して、
「あの人、良かったよね」と静かに話題に上る。
即座に発せられる褒め言葉が多いほど、
そこには“違和感処理”が含まれている可能性もある
ということです。
人はさまざまな要素で違和感を覚えます。
・顔つき
・体型
・立場
・性別
・年齢
今回のケースで、
最も大きかったのは「年齢」でしょう。
リボン、特に
大きくて「可愛い」リボンは、
子どもらしさ・幼さ・愛らしさの象徴です。
それを50代の女性が持ったとき、
似合う・似合わない以前に、
「情報としてのズレ」が生じる。
そのズレを埋めるために、
言わざるを得なかった言葉が
「まぁ、可愛い」だった。
つまりそれは、
称賛というより、
場の違和感を和らげるための一言
だった可能性が高いのです。
誤解してほしくないのは、
「リボンが悪い」という話ではありません。
好きなものを持つ自由は、
誰にでもあります。
ただし、
・なぜ目立ったのか
・なぜ声をかけられたのか
・なぜ場の話題になったのか
ここを理解しているかどうかで、
「おしゃれ」になるか「悪目立ち」になるかは変わる
ということ。
自分を客観視できている人は、
好みも気分も、
きちんと“効果的に”使いこなします。
ファッションは、
自己表現であると同時に、
その場との関係性でもあります。
褒められたときほど、
一歩引いて考えてみる。
それは本当に称賛だったのか。
それとも、
空気が発したサインだったのか。
その違いに気づけたとき、
服は「着るもの」から
自分を語る道具に変わります。